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日常で起こった小さな出来事を出来るだけ壮大に書き上げます。
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ネタバレ注意(原作、映画ともに)
いや、まあ普段このブログを放置している人間がなんか書こうと思ったわけですから、それなりに衝撃的だったことが伺えるかと思います。
話の中身やら細かいところに突っ込みたかったので、見た人だけが共感or反論と考えることができるかもしれない内容になっています多分
見ていた人(私)の前提としては、
・原作全部持っている、読んでいる
・アニメはチラチラとだけ見たことがある(FAのみ)
・実写化反対派
ですが、できるだけ反対ありきの目線では見ないようにしていました。
駄目だったとしたら、誰が聞いても「駄目だなそりゃ」って共感してもらえるような客観的な考えを持ちたかったので。



うーん、細かいところを姑の如く見ようとしないなら、全体的には悪くなかったんじゃないかな、というのが率直な意見です。
2時間半の映画だとどうしても原作の設定をある程度だけ使った、原作と随分違うストーリーが出来上がってしまうわけですけど、
嫌な思いをしたくなければ、何も考えずに話として面白かったのか、つまんなかったのかを考える方が楽だと思います。
ただ私は原作が大好きですので、何も考えずに見ることはなく、こんな台詞あったな、設定あったなと考えながら見ておりました。
なので以下に書いたのは、
1.原作抜きにして良かった/悪かった
2.原作に沿っていて良かった/悪かった
3.原作と違っていて良かった/悪かった
のいずれかになります。

良かった点:
・ホムンクルス勢の完成度が高い
一番嬉しい誤算でした。
グラトニーの謎肉食べるところとか、エンヴィーの軽そうな演技とか、原作のキティじみた悪役感が割りと良く出ていました。
特にラストがドンピシャ。
計画を淡々と進め、邪魔になる存在には容赦なく攻撃にかかる、明らかに敵である感が本当によくでていました。
素晴らしい演技。松雪泰子さんは本作品のMVPです。


・アルフォンスがとってもアルフォンス
原作だとわりと発言がマイペースというか、のほほんとしている部分が多かったと思っていますが、その風味をだいぶトレースしてくれていたところは、CGの完成度と合わせてびっくりしました。
こういうのがしっかり作れるのは実写の強みですね。


・軍が乗っていた車のデザイン、部屋の調度品が違和感なし
当たり前っちゃ当たり前なのかもしれません。
でも、ここって1つでも考えが甘いと、一瞬で現実の世界に戻されてしまうので、全体的にマッチしていたのは嬉しく思いました。


・衣装がペラペラのコスプレじゃなかった
私が実写映画で一番嫌うのが、学芸会とかコスプレ大会みたいなのにありがちな、とりあえずそのキャラとわかればいいだろ的なペラペラの衣装です。
学芸会やコスプレ大会を貶すわけではありません。たまに見ますが楽しそうでいいなと思います。
でも、実写映画で着て演じる格好ではないと思います。
映画を見るために映画館に来て、お金払って学芸会を見ようとは思わないのです。
ペラペラ例としては、実写版銀の匙(ポスターしか見ていません)で八軒が着ている、かたそーなパーカーがそれです。
鋼は、PVの時点でそういうあっちゃーな衣装はないどころかある程度馴染むように良くアレンジしてあったので、本気で作って頂けているのだと思ったのも、ちゃんとこの映画を見ようと思った点です。


・タッカーの台詞「鋼の錬金術師」の厭味ったらしさが最高にいい
タッカーさんの悪事がエドにバレてから、エドも同罪じゃん、と挑発する際に発言する「鋼の錬金術師」。
この発言は「あんたも人体錬成をしてその体になっただろ?私(タッカー)と一緒だろ?」とエドを精神的に攻撃するような発言です。
ここは原作ではそこまで強調していなかったですが(エドへの攻撃にはなっていたが連呼される前にエドがKO)、設定の良い使い方だと思いました。
要するに大泉洋の演技が素晴らしかったのです。


・ヒューズ中佐のキャラ
切れ者で家族思い、原作に強く書かれていた部分は9割ほど取っ払われており、そのかわりただの気のいいおっさんになっていたのだけど、これはまあ、2時間半でやる作品にしては馴染んでいたので良かったと思います。


驚愕した点、疑問に思った点:
・大泉洋役の大泉洋がいた?
劇中で様々な人から「ショウ・タッカー」と呼ばれていた男がいたけどどう見ても大泉洋です。本当に(ry
登場してから「君のような〜」の台詞まで、笑いをこらえるので大変でした。これだからどうでしょうファンは困る


・ショウ・タッカーの実力と肩書きのズレ
国家錬金術師の試験に落ちたり、取っても数年で剥奪されかけたりする、錬金術師にしては凡人のタッカーさん。
しかし、物語後半でアルフォンスに謎の催眠術をかけたり扉を開けさせたり、賢者の石のことをよく知っていたりと、どう見てもその知識は凡人じゃ得られないでしょと違和感を覚えました。
まあ、価値観がかなり非人道的なので、それを隠すために凡人を装っていたと言われればそれまでなのですが。。


・大佐とエドの関係性が薄くないかしら
映画内で、大佐がエドに投げかけた言葉に「そんなもの(賢者の石)を求めてどうする(うろ覚え)」的なものがありました。
大佐といえば、人体錬成に失敗した兄弟に声をかけて国家錬金術師へのサポートをした経緯が原作では書かれております。
つまり、人体錬成に失敗して、何としてでも弟の肉体を返してもらうように躍起になっているエドが賢者の石を求めることはわかっているはずですが、わかっているにしては賢くない台詞が出たな、というのがその台詞の印象です。
大佐がエドの世話を焼いていない設定であるならば、序盤で大佐と、彼にミョーに突っかかるエドの関係性はしっくりきません。そうなる背景が書かれないから、どうしても物語としては薄く感じてしまうと思います。
大佐が賢者の石のことをよく知っていて上記の台詞が出たとすれば、せめて「知ってしまったのか鋼の」的な台詞は欲しかったところです。だからこそそんなものを求めるなとエドに言ったといえるから。


・タッカーさんに向けたアルの怒りの台詞に混じったエドに向けた台詞に違和感
アル「それ以上喋ったら今度は僕がキレる。 ←タッカーさんに向けた怒り
(間髪入れず)もう誰も信用できない。 ←タッカーさんに向けた怒り?
(続けて)〜〜〜←タッカーさんに向けた怒りやニーナに向けた台詞

「もう誰も〜」っていうのは、後々エドと乱闘になる伏線なので、タッカーさんに向けた怒りというよりはエドに向けた怒りという印象が強かったです。
なので、タッカーさんに向けた台詞に続けて流れるようにこぼしたエド宛の台詞に違和感バリバリでした。
乱闘になる前、どのタイミングでも不審感を現す態度は出せそうでしたけど、それを一切出さずにタッカーvsエドのときに無理やりねじ込む理由はあったんでしょうか。


・人体錬成陣メモ(2箇所欠けてる)を見た時点では何も気づかないけど人体錬成陣(100%)を見て瞬時に錬成陣全部が理解できちゃう謎
マルコーさんから貰ったメモは、たった2箇所が欠けた人体錬成陣ですが、それを見ても何もわかんなかったのに、研究所の人体錬成陣を目にして瞬時に「(賢者の石の材料は)生きた人だぁぁ!!!」ってなるのがどうにも...
2箇所の穴を除けば結構文字は残っていたわけですから、いくつか読めなかったのかなぁと思わざるを得ません。
あと、このメモに関してアルに関わらせないようにした理由はわからなかったです。


・大佐にとっての敵って誰よ
最後の金網のところで
大佐「貴様だけは許さない!」←ラストもいたのにエンヴィーにだけ向けた言葉
その後エンヴィーを無事燃やして、ラストを燃やす時に
大佐「ヒューズの敵!!」←ラストに向けた言葉
台詞からして2体とも敵討ちのつもりなんだし、2体に向けて言えばよかったんじゃと思いました。


残念だった点:
・服を着ている人よりも服に着られている主要キャラ
衣装は良かったのです。ちゃんと似合っている人も多かったのです。
しかし、大佐、中佐、中尉といった主要キャラが、
その衣装に着られていてどうしてもコスプレしている感に見えてしまいました。賛否あるでしょうけど。
軍人にしては体が華奢すぎよなぁ...腕と胴体の間の隙間がどうしても。
大佐なんて、自称武闘派錬金術師(by原作)だぜ!?


・ハクロ将軍「世界の王になる!!」←!?!?!??
「どんっ」って効果音が入りそうな、鋼の錬金術師には似合わない謎台詞。
たかが1つの国の1施設で軍隊を持った程度で出る台詞にしてはぶっとんでましたし、
野望をあんまりペラペラ喋らず行動にうつしがちな鋼の錬金術師に唯一似合わない台詞だと思います。
世界の王になるにしても、王になる明確な理由とかなった後どんな世界にするとか、その辺の説明は欲しかったです。
あとはちょっと台詞に対して迫力が無かった。
過去の特撮で自分が変身する時に必ず「世界の王者!!!!」って叫ぶ人がいたのでその人基準になってしまいますが、世界の王になるってなかなか気合のいる言葉だと思います(実際特撮の人はすごい迫力でした)。
それをなんかいなしたような叫び方に見えたのは更に残念に思いました。

個人的な考えですが、「王」という概念が存在するかわからない世界観なら、「王」を使うべきではないと思います。
それだけで世界観が随分と制限されてしまうように見えます。というかいらない設定が入ってしまったように見えます。
原作では、シンという国に国王がいるという話は出ていますが、それ以外で王という単語は出なかったように記憶しています(出ていたらすみません)。
アメストリスには軍事国家で皇族に当たる存在つまり王の概念が無いはずです。
こんなところをつついてしまうあたりが原作厨なのでしょうけど、変な設定を入れないで欲しかったです。


・タッカーの悪事がエドに悟られた時の、バレバレ感が残念
これは原作厨としての意見というか好みの問題かも。あと映像を出すのにどうしてもそういう演出の方が良かったというのなら、まあ仕方がないのかも。

原作:「お に い ちゃ」→エド悟る、頭掻いてるタッカーさんに質問(あーバレた的な表情には見えない)
映画:「エドお兄ちゃん(ドきっぱり)」→タッカー正面顔(あーバレた的に見えた)、その後エド質問

ここを原作でなぞるのだったら、原作のように「エド悟るがそれにタッカーさん気づいていないっぽい」風を出して欲しかったなぁと
キメラが「エドお兄ちゃん」ってきっぱり言っちゃってから、タッカー正面顔+エド後ろ姿のシーンが出るのですが、その時のタッカーの顔がどうしても「あーバレた」って言っているようにしか見えなかったのです。
あそこは
エド「ニーナとアレキサンダー、どこへやった?」
で読者が「ハッ!?まさか!!」って思わせるいいシーンだったのになぁと思います。


・ウィンリィの行動や格好の理由が意味不明
要所要所で、ウィンリィの行動理由がわからずなんだこの女はと思わざるを得ませんでした。
 マルコーのもとへウィンリィがついていく意味あったかな?
 第五研究所(偽)の探索にウィンリィがついていく意味あったかな?
 ウィンリィが途中でワンピースになっていたけど変える意味あったかな?(衣装最後戻ってるし)
私の考えが及びませんでした。
なんでもついてくる女キャラなら、エドが機械鎧を壊す理由もわかっていたはずです。
急についてくるようになるなら、エドが来ないように止めるはずです。特に賢者の石に関することは危険を伴うのは身をもって知っているはずですから。
一言でもあったらまた違ったと思うのですが。



その他細かいところ(姑の如く):
・上映開始後数分が結構地獄(演技といい人体錬成時の部屋の回り方といい随分と悪目立ちしてしまった...)
・等価交換について説明してくれる割には等価交換を意識するシーン無かったなぁ
・真理の空間、人物の瞳かなにかで部屋の様子が反射していたが、白い丸が等間隔にてんてんと...真理の空間って照明が沢山あるお部屋なのかしら?
・賢者の石を作っていた部屋の人体錬成陣、おびただしい数の人体錬成を行われたであろう場所なんだけど、どう見ても作りたての駐車場の如くピッカピカでござーる
・本編に一切出てこなかった、ポスター(大佐+中佐+中尉)の黒い柴犬の意味とは一体...
・後半の、動くより喋る展開はアクション映画としてはつまんない
・結局錬金術がド派手に使われていたのは最初だけで、最後は大佐の火炎放射器と脆い壁だけじゃん!
・ラストはエドのことをやたらと「人柱」と言っていたけど人柱に関する描写0なんだから無理にいれんでも

・正直ジャニーズが主題歌歌ってたらどうしようかと思ってた
・ヤンキー親に髪を染められたエドとアル(幼少)
・エドが作る壁が超軽そう、脆そう
・岩キメラにビリビリに破かれていくらか布がなくなっていたはずの服を元に戻すエド、あれっ等価交換とは
・エドが怒って何かを言う時、怒っている感ではなくただ叫んでいるだけ感が拭えなかったなぁ
・ウィンリィ「どんな使い方したらこんなになるのよ!!」←これ結構様になってて好き
・ウィンリィのスパナ登場シーンって1回か2回くらいしかなかったけどスパナ使うキャラをこの映画は本当に使いたかったの?
・そもそもそのテニスボールが挟めそうなスパナはエドの機械鎧のどこで使うんですかね...
・どのタイミングでウィンリィはアルの中に入ったのかしら、瞬間移動にしか見えなかった

・大佐の手袋血でドボドボだったけど発火できるんかーい
・大佐の錬成のメカニズムなんて説明されないから、知らない人からすればただの人間外のことをする人(下手すればホムンクルスの仲間なんじゃ...)って見られそう
・大佐と中佐の立ち回りは普通なのに、「エリートは狙われやすい」的な台詞1つでエリート設定が突然ねじ込まれた感
・更に言えばラスト「頭脳派と聞いていたけど」も、ヒューズを気のいいおっさん設定にするならいらなかった台詞
・「鷹の目のスナイパー」と書かれた中尉の、銃持って1年目感
・ヒューズの死がそこまでどん底に落とされる感なく、なんなく終わってる感(エドの怒りがただ叫んでいるようにしか見えなかった分もあって余計に)
・大佐の横にいるホークアイ中尉の副官ぽい佇まいが超好き、あと顔が超好き

・グラトニーが食ってる肉ってキメラとかその辺の生き物だと思うけどちぎって食べているにしては床とか綺麗だねぇ
・グラトニーが腹から牙いっぱい出してドスドス歩くシーンが、とっても特撮チック
・キメラにされたニーナとアレキサンダーは結局どうなったんだよ...
・なんでタッカーさんを大泉洋にしたんだろう(素朴な疑問、監督は大泉洋に何を期待した?)


正直、原作を読まなければここまで考察しなかったわけですから、こんだけ書きたくなるほど考える時間を与えてくれた映画には感謝しています。
どうなの...って思うところは、書いた通りいっぱいあるんですけど、そうやって考えることも楽しめたので、0巻付き映画にしては価値があったと考えています。
ただ、実写映画化はやっぱり難しいと思います。
実写でできないからアニメや漫画があるわけで、実写の世界にそれらが踏み込むにはどうしても限界があるのではないでしょうか。
実写のメリットを引き出しづらい作品での実写化は、反対のままだなぁと思いました。


2021/5/31追記:
懲りずにもう一度見て、また出てきた言いたいことをここに書き散らします。
途中まで見て、後半はもう見ていられなかったです。
・エドやウィンリィの服装の縫製クオリティがとっても現代、クオリティが高すぎる
・特にエドのノースリーブインナーがアンダーアーマーで作ったんかってくらい強そうな作り
・エドが足取られてああああってなってるけどズボン赤いのに床に血が1滴も落ちてないで
・ウィンリィがマルコー探しに必死なのがやっぱり謎
・アルがどんなでっかいアップルパイ食べてるかのくだり、誰がこんな違和感バリバリの会話構成ねじ込んだんや
・エド「こんにちは(小声)」←マルコーさん家に入った時の、キャラに似合わないいい子感
・大泉「アル(寝ることはできない)はもうすぐ目覚める」←この時点で違和感持って欲しかったエド
・アル「兄さん、それ以上やったらしんでしまう」の一言でタッカーさんぶん殴るのを止められるおりこうさんエド
・ヒューズ中佐とロス少尉が「友達」と称する必要性
・錬金術の調べ物ができるヒューズ中佐、まさに「デタラメ人間」側...
・ウィンリィの持ってるスパナよく見たらまん丸で何を回す用のものなのか
・マルコーさんといいヒューズ中佐といい写真のクオリティ、これもとっても現代だわ
なんか、漫画原作にしては服装頑張った、アルフォンス頑張ったといえる部分もあるんだけど、
原作とは全く異なるキャラ設定やストーリー構成のおかげで、
見れば見るほど残念なところが目について、
やっぱり原作ファンとしてはがっかりの一言です。
でも、ジャニが入っているのにアマプラで見せてくれるようになったのでそこは感謝しています。
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